こんばんは。
こんにちは。
絶対に既に観た!と思いながらも、何故かトリック部分?以外の記憶をまるっと失くしていたので、映画『この子は邪悪』を再度鑑賞しました。
鑑賞して思った。記憶失くすわけだ。
配信で1.5倍速で観ていなかったら、「時間泥棒!」と呻きたくなる作品だった…何故ならツッコミどころ満載だから…
なお、こちらがファンタジー部門であったことからもわかるとおり、ホラーではありません。
一瞬気持ち悪い場面はありますが、それを除けば、ホラーでも、SFでもない。単なるファンタジー作品。
いつもの如く、ネタバレありで、順を追って感想を書いていきます。
色のついた文字の部分が、物語の部分です。ほかは全て感想です。
甲府市に、人々が四つ足で歩き、言葉を発さなくなる人が何人かいる(主人公は「5人」見ている)。
母親がその一人である主人公(純)は、その原因を探っている。
この病に罹った人々が通った病院を調査しているところから始まる。
冒頭、純は『くぼ心理療法室』を訪れ、そこで、ある女性を見掛けます。
さて、この『くぼ心理療法室』を経営する窪家(夫の司朗、妻の繭子、長女の花、次女の月)は、5年前、居眠り運転の車に衝突されるという事故に遭っています。
夫は右脚の神経に障害が残り、妻は植物状態、次女は顔面に火傷を負って以来、仮面を被って家に籠もる生活。
長女だけは無事でしたが、自分がねだった遊園地へ行った帰りでの事故だったため、責任を感じて学校にも通えずにいます。
ある日、5年間植物状態だった妻が帰ってくるのですが、容姿が別人。
整形手術したせいだと聞かされますが、長女は「別人ではないか」という疑いを持ちます。
「奇跡が起きたんだよ」で、司朗が植物状態だった母をお披露目しますが。
いや、うん、まあ、植物状態だったが「奇跡が起きた」。そこから懸命のリハビリを重ねていた。姉妹にお披露目するまで、リハビリも含めてずっと黙っていた。ということかな?
でないと、5年間寝たきりだった人間が目覚めてリハビリも無しにいきなり帰って来た、という訳ではないよね?
観客の想像力がいきなり試される。
結局、繭子の魂を抜き取って別人(冒頭に登場した女性)と入れ替えた、ということが判明するのですが。
司朗さん、右脚に障害が残って引き摺っている状態なのに、この女性を乗せている現在(5年前ではなく)、よく自動車を運転できましたね。謎過ぎる…
母についても、長女は5年間、一度もお見舞いに行かなかったんだろうか。
整形手術が必要な状態なのかは、そのとき見れば分かったのでは。
いや、中盤初めて病室を訪れたっぽい描写があるのですが、何で今まで行かなかったんですかという疑問が。
それに、この偽繭子の泣きボクロをティッシュで拭ったら取れる、というところで、帰って来た「母」が偽物だと花は気付くのですが…
えっと、整形手術したんでしょう? なら、泣きボクロだけわざわざ同じにする意味は何? 泣きボクロフェチ?
月についても、仮面を被らせる意味が分からない。
家族が怖がるから? 家族しか見ないなら、家の中でまで着けなくてもよくない?
家族しか見ないのに、仮面を着けっぱなしにするとか、「お前の顔は醜いぞ」と月の容姿を否定し、自己肯定感を低めているだけ。
司朗は家族を愛していると言いながら、子どもを守ると言いながら、口先に過ぎない…にしても程度が過ぎるよな?
設定の破綻がすごい。
なので、観ているこちら側としては、ずーっと、これ見よがしの「最大のネタバレ」が服を着て歩いている状態。
…と、月だけでもツッコミどころ満載なのですが、それはともかく、物語は進みます。
母に違和感を抱いていた花も、事故の直前まで父に内緒で作っていた刺繡のことを繭子が尋ねてきたため、「本物だ」と認識を改めます。
一方の純は、同じ病気に罹った人の家から司朗が出てきたところを見て、『くぼ心理療法室』に何かがある、と探り始める。
その中で、花と純は仲良くなります。
しかし、純が花に、「月が5年前に死亡した」というインターネット記事を見せたことで、花は疑念を持ちます。
翌月の月の誕生日パーティ。純も招かれます。繭子が妊娠していることを皆に報告。
花は、繭子が帰って来たのは「5月」と言いますが、純は、「4月」に繭子を『くぼ心理療法室』で見たと言い、時期のずれを指摘します。
…正直、観客側の画角からしても、女性はつばの広い帽子を目深に被っており、顔なんてほとんど見えていない。
よくそんな繰り返し、「絶対お母さんだった」と断言できるものだなと、しっくりこない。
いや、そんなことを言い出したら、この作品で起きるほとんどのことに、しっくりこないんですけども…
窪家のことを探っていた純ですが、「お母さんのことを知りたくない?」というエサに引っ掛かり、司朗の退行催眠を受けてしまいます。
チョロ過ぎる。
次に花と会った際、純は別人のように、今まで指摘してきたことを「気のせいだった」と翻します。
このとき、花がホクロのことを話すのですが、純「ホクロなんて、整形で無くなったんじゃないの?」。
……いやいやいや! だから、それなら、無くなったものを何で書いたのかって話をしているのですが!?
モノマネ芸人じゃないんですよ!? 何でわざわざ書く必要がってことなのよ。
そして、この後、月が司朗から退行催眠らしきものを受けているような場面が挿し込まれるのですが。
司朗からアルコールランプの炎を見せられて、月が過呼吸みたいになって、炎を消した司朗が宥める、という場面。
全て台詞が無いので、何が起こっているのか謎なのですが、この場面の意味は何? 何で誰も説明してくれないの?
ここの場面の説明、全部置き去りで、最後まで明かされないのですが。
観客の想像力を試しやがる…! 事故のときの炎? 何でわざわざそれを見せる? トラウマは消したのでは?
分からないことだらけ…!!
その次に花と会った純は、何故かいきなり催眠が解け、花と共に役所で戸籍謄本を取得し、月が間違いなく死亡していることを確認。
司朗からもらった鈴(おそらく退行催眠を持続させるアイテム)を外して捨てる。
何で!?!? いきなりどうして催眠が解けたの!? 鈴付けてたよね!?!?
鈴の音が鳴ったのに、催眠状態に戻るということもなく、普通に捨てている。謎!!
次の場面では、司朗が入院中の繭子の人工呼吸器の機械を止め、外します。犯罪!!
何故機器が止まった警告音が鳴らない! よく病院を無事に出られたもんだなこの人!
翌日には事件になって、警察なり病院なりが窪家を訪れそうなものですが、そんなこともなく。何でだ!!
観客を置いて行けぼりにしたまま、話は進み。
純から、「月の顔を撮影してほしい」とデジタルカメラを渡される花。
夜、司朗が居ないときを狙って、就寝中の月に忍び寄りましたが、何故か月はベッドに居ない。
自室に戻ると、自らの死亡を告げる戸籍を手にしている月の姿が。
何でだよ。どういう理屈だよ。月に夢遊病癖でもあって、おまけに姉の部屋を探る癖でもあるのか?
その後、司朗は偽繭子の目の前で本物繭子の死亡届を淡々と書いており、それを見た偽繭子がパニックになり過呼吸に。
それを見た司朗は、偽繭子を抱き締めて、何故か濃厚なキスシーン。
もう……誰か説明してくれ……
まず、人工呼吸器を意図的に外した以上、死亡届という行政手続だけでは済まない。
次に、偽繭子の目の前でそれを書いて、彼女をパニックにさせる意味が分からない。
さらに、パニックになった人の首筋に顔を埋め、そこから濃厚なキスシーンに雪崩れ込める…訳がなくない?
彼女、妊娠してるのですが!? 過度なストレスは止めてあげません!?
翌日の日中、帰宅した純。
何故か家に上がり込んで、本人曰く「母を診察」している司朗。不法侵入!!どうやって入った!!鍵は!!
そして今更、母を診察する意味とは!?!?
純は、司朗に対し「あんたが皆に何かをやったんだろ!」と、今までの証拠を突きつけますが、退行催眠を掛けられ返り討ちに。
と思いきや、何故か一度は我に返って反撃。何この、かかったりかからなかったり。
しかもその後結局かかってるんだよ。兎になっているのよ。
どういうこと? 再現性が無さ過ぎて、話に入っていけないよ。
その後、偽繭子が如何にして偽繭子になったか、という回想が急に入ります。
彼女も子どもに虐待を加えた親の一人で、離婚されてしまった。そして、『くぼ心理療法室』に通院。
司朗に、妻の病室に連れられ(自分なら、主治医とはいえ、他人の家族の入院病棟に呼ばれても行かないけど…)、そこで、植物状態の妻と、退行催眠によって魂を入れ替えられました。
いやいや……嫌がっている人に無理矢理、退行催眠をかけるとか、そんな魔術みたいな万能なものじゃないですよ。
鈴の音一つで言うことを聞かせられるのは、もう別物だわ。
更に言えば、どうやって植物状態の人間に催眠をかけたのか? 司朗の催眠って、指を八の字にグルグル回して、眼球にその動きを追わせて、というものですよね。瞼を閉じてますよ、相手。
魂を入れ替えた後の繭子は、鏡で自分の顔が違うこと、自分の肉体は目の前で眠ったままであることを目撃してパニックになりますが、司朗が「大丈夫」と宥めて落ち着かせます。
落ち着くものかなあ…普通、「どういうこと!?」って問い詰めそうだけどな…
ここである種、司朗と「共犯」関係になった、という描写なのであれば、その後、パニックを起こす意味が分からないし。
共犯なんだけれども、度々パニックになる、ということ?
繭子と月の共通点として、「今の自分のアイデンティティを揺るがす(辻褄が合わない)ようなこと」が起きると、眼球が八の字にグルグル回るという現象がある。
繭子であれば、泣きボクロが取れる。月であれば、自身の死亡が記載された戸籍を見る。
いや、うん、繭子は共犯になったから、辻褄が合わないことが起きようが、それは想定内というか、辻褄が合わなくて当然なんじゃないのか?
この現象が繭子にまで起きるのは何故?
はい、何もかもよく分からないまま、終盤へ。
純が口をきけなくなった今、純から託されたデジタルカメラだけが花の手掛かり。
花はカメラのデータを見て、純が司朗を探っていたことを察し、療法室にて、「純に何したの?」と父に詰め寄ります。
そこに、繭子と月も合流。
偽物だ、と言いながら、花が月の仮面を剥ぎ取る。月、絶叫。何で?
この時点ではまだ、自分の顔を見たわけでもないよね。真相も明かされていないよね。何で?
しかも、ここから芝居が急にピタゴラスイッチになる。
花、詰め寄る→父、とぼける→繭子と月、現れる→花、月の仮面を取る→月、絶叫→両親で月を宥める
ピタゴラスイッチで動く人以外は、全員その場で動かず突っ立ってるだけ。何の芝居もしない。どうしたん? 脚本も監督も寝てたの?
ここで司朗がネタバラシ。
ケージから出された純 in 兎が、花の足元に駆け寄る。
退行催眠で0歳よりも遡ると(胎児の状態)、魂が不安定になって肉体から乖離させられる。
兎は無垢そのものの生き物なので、魂を交換しやすい。
そうなの?? 兎が無垢って、どうやって決めたの? 無垢なら何で魂を抜き取りやすいの? ほかの生き物は無垢じゃないの? と疑問は尽きない。
子どもを虐待する親と、兎の魂を入れ替えて、「治療」してきた。
そうしたことを続けているうち、窪家の事故が発生。一刻を争う状態の月のために、初めて人間同士の交換を行った。
つまり、甲府市で起きている病気の人々は皆、兎と魂を交換。
月は、その一人である父親から虐待を受けていた子ども(愛華)と魂を交換。愛華の魂が入ったまま、月の肉体は死亡。
繭子も、息子を虐待していた女性と魂を交換。女性の魂が入った繭子の肉体は、司朗によって殺害された。
ええと、愛華ちゃんの魂が犠牲になっておりますが…?
子どもが大事、子どもは宝、と嘯きながら、司朗の中で、命の序列がある、ということだよな。
自身の家族の命 > 他人の子どもの命 > 他人(親)や兎の命
という優先順位なり、序列がはっきりとある、ということですよね。
繭子は「大丈夫、お父さんが導いてくれるから」と言いますが、司朗は教祖でも指導者でもありません。反吐が出る。
なお、純は家族を壊そうとしたので入れ替えたそうです。隠す気もない下衆。
司朗のネタバラシを受けて、月は「そうまでして生きたくなかったよ」「幸せになんてなれないよ!」。
混乱する月を宥めようと抱き締める司朗。その背後、療法室の裏口を音もなく開けて侵入する純の祖母。
何でだよ!? これまでの経緯は花から聞かされたとして、「今、療法室で何かが起きている」ことがよく分かったね。そして、裏口もよく知ってたね。鍵が偶然開いていて良かったね。ご都合展開が際限なく繰り広げられていく。
流れとしても、そもそも退行催眠が作中で述べられているようなものである、というなら別ですが、司朗しかできないのであれば、彼を撲殺したら、純も娘も戻って来なくなるから得策ではないよな…?
退行催眠がもともとそういうもの、なら、別の人にやってもらえばいいのかもしれないけれども。
司朗の背後から、祖母が彼を何か(石?)で殴りつけます。蹲る司朗。
これまでの話が聞こえていたのか、祖母は真っ先にケージに駆け寄り、娘と孫を探します。
純 in 兎が駆け寄ったのか、祖母が純 in 兎を切なげに抱きかかえる。
しかし、その背後から司朗が迫り、同じ物で祖母を殴りつける。
そして、司朗は床に倒れている祖母を何故か長椅子の陰に引き摺り(おそらく年齢制限への配慮)、祖母を何度も何度も殴って殺します。
この間、妻も長女も次女も全員、座るなり立ったまま、ぼーっとそれを眺めているだけ。
いや、誰か、止めるなり、声を上げるなりしますよね。
何で全員ぼんやりしているの? 父親、夫が目の前で人殺しになるのを、ただ眺めているだけって、何で?
フィクションだとしても、いや、フィクションだからこそ、ここは芝居をさせるでしょうよ! 何でノーリアクションだよ!?
そして、血を洗い流した後、「家族を守るためだよ。分かってくれるだろ?」と言っても、花は無表情。どうした、立ったまま気絶した?
「お父さんの気持ち、分かるだろ?」と司朗が近寄って来てからようやく、後退り。やっぱり寝てたのかな。
この終盤の療法室での芝居、本当に、台本が白紙、監督が寝ていたとしか考えられないほど、ずーっと全員の芝居がピタゴラスイッチ。
月が父に近寄り、ナイフで刺します。これも、長女も母も黙ったまま、身動ぎすらしない。
月は、ナイフに映った自らの顔を見て、やはり自分の顔が別人であると確認した後、自分を刺そうとする。
そうしてようやく、花が制止します。
再び立ち上がった司朗が月に近づこうとしますが、それを庇った花が父を拒絶。
こちらもようやく立ち上がった繭子が救急車を呼ぼうとしますが、司朗はそれを制止。
壁に掛けていた、花が作った家族の刺繍を剥ぎ取り、崩れ落ちます。
「もう分かったよ」という趣旨のことを繰り返しながら、司朗は繭子に膝枕してもらい、姉妹に謝罪。
純の祖母を殺して自殺したことにするんだ、と言いながら、ナイフの柄をシャツで拭う(そんなことでは指紋は取れない)。
「繭子……抱き締めてくれ」と言って夫婦で抱き合う場面から、玄関で姉妹が寄り添い合って座っている場面。
そこからまた療法室にカメラが戻る。司朗、まだ生きてる。しぶとい。長い。
「ずっと、一緒だからな」「うん、ずっと、ずっとだよ」と夫婦で言い交します。これが最後に繋がる。
確かに、思い起こせば、この家には鏡が無かった。
でも、鏡が無いなら、本人が自分の顔を見る機会は無いから、仮面は要らない。
家族(というか花)に見せないための仮面だった、と考えるしかなくなるのですが、それなら先述の疑問が戻って来る。
それに、花は、「火傷なんか気にしないよ」なり「大した火傷じゃないよ。月が仮面を被り続ける必要なんて無いよ」と言ってあげなかったんでしょうか。
言ってあげてなさそうだな。お母さんのお見舞いに5年間一度も行かなかったような、薄情な娘だもんな。
刺繍の絵柄に象徴されるように、家族大好き、みたいな描写がありながら、実態が伴っていない。
ここもやはり、設定が破綻している。
ケージに入ったままの兎、そこから出ている兎。『くぼ心理療法室』の前に放されている兎たち。各々が自分の家に帰るように、方々に散っていきます。
ただただ危ない。車に轢かれそうで、見ていて一番ハラハラしました。危険過ぎるだろ。そして迷惑だろ。近所からすぐ通報入るわ。
純 in 兎と、純の母親 in 兎は、無事に家に帰れたようで(どうやって家に入ったんでしょうね)、自宅の中で鬼ごっこのように駆けています。
繭子、花、月、無事に生まれた息子、4人で、家の庭でティータイム。
赤ちゃんを抱きかかえた繭子の「お父さんも喜んでるねぇ、きっと」に対し、花と月の表情が暗くなる。
繭子が去ると、花が月に「幸せになろうね」と言って、月は「うん」と頷く。
最後、赤ちゃんを上から映す。笑っている赤ちゃんの指先が、八の字をグルグルと滑らかに動くのだった…タイトル『この子は邪悪』で終幕。
司朗が繭子の膝枕のときに、自らに退行催眠をかけて、胎児の魂と入れ替えた、のでしょうが…
それで、最後の夫婦の会話からしても、繭子だけはそのことに気付いているのでしょうが。
司朗、死ぬ前に、姉妹に「もう分かったよ」「ごめんな」と謝っていたよね。何で胎児の魂を追い出して殺してまで、自分が生き延びたいと思ったの? 繭子に「やっぱり、俺が間違っていたのかな?」と聞いたときに、彼女が首を振ったから、「俺は正しい!」と思い直したのかな? 言動がちぐはぐ。
描写としても、司朗は指を動かしていない。鈴も鳴らしていない。どうやって退行催眠したのか? 自らに退行催眠をかけることなど可能なのか?
さらに、生まれてくるはずだった息子の魂は…? 司朗こそ、我が子の命を犠牲にしている、ある意味虐待したようなものじゃないの?
「家族が大事」なのではなくて、「今既に成立している4人が大事」というだけなのでしょうか。
一方で、月は「そうまでして生きたくなかった」んじゃなかったの? どうしたの、オールリセットですか?
そして、ここからは完全に想像なのですが。
司朗はさ、繭子(の魂)を女性として愛していたわけでしょう。濃厚なキスシーンもありましたし。
入れ替わり後の繭子とも一度はおセックスして、子どもを妊娠させているくらいですし。
赤子の現時点で、退行催眠をかけられるほどの記憶をお持ちということは、完全に「強くてニューゲーム」状態。
そうなると、今後成長していって、繭子は妻ではなく母親になったのに、繭子への愛情は変わらず、母と息子で近親相姦とかしそうですよね。
それくらいは容易に想像できるのですが、そういう余白は想定の上で、制作陣はこの作品を作ったんですよね?
それと、「人間の記憶を胎児の状態に戻し、人間と兎の魂を交換する」という設定から生じる2つの疑問。
1つ目。
人間の記憶が胎児に戻っている以上、純が花に駆け寄る、という描写には無理がある。
純の母 in 兎が、純の魂を交換したことに抗議するようにケージを揺らす場面や、純たち親子 in 兎が揃って自宅に帰っている場面もあるが、これらの描写も無理があるということになる。
2つ目。
兎 in 人間となった人々は、魂が兎なので、仕草や食の嗜好が兎になっている、という描写が何度も描かれる。
であれば、逆である、人間 in 兎は、食の嗜好が人間のままのはずなので、人間の食事、記憶が退行しているといっても、せめて赤子の食事を食べていないとおかしい。
なのに、ケージの兎たちに与えられるのは、細切りにした生野菜(きゅうり、ニンジン)と藁。おかしくない?
兎には、人間の食事を与えないと変だよね。そこだけ、急に何で(関係各所への配慮)みたいになってるんだよ。
兎が、ぷきゅー!と鳴くとか、ダンダン!と足を踏んだりしかできないからって、つまり人間の言語ツールでの不満を述べられないからと言って、舐めてない? そこだけ兎の食生活を強いるとか、逆に動物虐待だよな?
そんなことを言い出したら、そもそも、退行催眠とはそんなに都合の良いものではなく、記憶の改変が起きる可能性もあるので、こんな物語自体成り立たなくなるのですがね…まさに、ファンタジー部門の名にふさわしい作品です。でした。終わります。