あお くろ ぎんいろ。

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2024.10.15_映画『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』感想(ネタバレあり)

 

 
 
 
映画『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ(原題:Joker: Folie à Deux)』を鑑賞しました。


一言で表すなら、「観るんじゃなかった」
もしくは、「こんな続編を作るくらいなら、『ジョーカー』も作ってくれるな」。


何故そう思うに至ったかはネタバレありでないと書けないので、以下、ネタバレありで感想を書いていきます。
ご注意ください。


ついでに、映画『ジョーカー』が大好きだったという感想記事はこちらです。
(ほかの映画の感想も含まれています。)

 







 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

















まず、続編の予告で、ジョーカーに女性が寄り添っている時点で、もう嫌だと感じた。
前作『ジョーカー』の感想で書いているとおり、笑いが生む孤独、孤立、断裂、そういう悲哀に江戸川乱歩的な要素を感じて、とても好きだったからです。
一人だからいいのに、二人にしないでくださいます!?

 

あらすじは非常に簡単。
アーサーは前作の後、病院患者として収容されている。なお、かなり治安が悪い。
その中でも、比較的自由に過ごせる(程度の軽い囚人が収容されている)一角で、リーを見掛ける。
リーはジョーカーに心酔しており、アーサーに対して、自分たちが似ている環境、境遇という印象を与え、親しくなる。
一方、あるとき、同じ場所に収容されているリッキーという若い男性の囚人がアーサーに乞うて、キスをしてもらう。
以降、リッキーはアーサーに心酔する。
ある日、リーが病院に火を放ち、アーサーの手を取り、共に脱獄しようとするが失敗する。
最も暗い独房に2週間監禁されたアーサーのもとにリーが訪れ、この時点で完全にリーに恋に落ちていたアーサーは、短い時間でリーとセックスする(後に、リーはこれで妊娠した、と彼に告げる)。
リーは、ジョーカーの近くにいると影響されてしまう、という理由で退院することとなる。
その後、アーサーの起こした殺人事件に関する裁判が開始される。
アーサーは相変わらずリーに夢中だが、弁護士から、リーが最初から嘘を吐いていたこと(環境や境遇)を教えられる。
ショックを受けたアーサーは、リーにそのことを確認するが、リーは悪びれた様子もなく、愛の歌を歌ってアーサーの心を再び取り戻す。
裁判が進み、過去のトラウマ(母からの性的虐待や、童貞であることを晒される)や、手帳に書き綴ってきたジョークや想像を無遠慮に何度も掘り返され、笑いものにされたアーサーは、ついに弁護士を解雇し、本人訴訟に切り替える。
だが、検事側の証人として、かつての同僚であったゲイリーが召喚され、「アーサーだけが僕を笑わなかった。味方でいてくれたのに」という涙ながらの彼の言葉に、アーサーは強く動揺する。
また、自らが収容されている病院の看守や所長について裁判で酷い悪口を言った帰り、所長たちから酷いリンチに遭う。
それに強く抗議したリッキーが、所長に絞殺されるのを独房内で耳にする。
これらのことを経て、アーサーは、最後の弁論として、5人殺したと言われているが、実は母親も殺したこと、また、ジョーカーなどいない、いるのはアーサー・フレックだけだ、と力なく告白する。
それにより、あくまでジョーカーに心酔していたリーの心は完全に離れ、彼女は裁判所を後にする。
陪審員たちが結果を述べ、6件の殺人について、順番に有罪と述べていく中、突如、裁判所が爆破される。
その中を、ジョーカーの信奉者たちに連れられて、アーサーも逃走。
かつての階段の途中にリーの姿を認め、駆け寄って、一緒に暮らそう、と愛を囁くが、リーは冷たく突き放し、去っていく。
その後ろ姿を呆然と見送るアーサーの背後には、パトカーが数台迫っていた。
後日、再度収容されているアーサーのもとに面会してくる人物が訪れる。
看守の後からついていくアーサー。
彼を追って、一人の若い男性の囚人が声を掛ける。
「冗談を聞いてくれるか?」という彼に、「手短に頼む」とアーサーが答える。
内容は、アーサーがサイコパスの男に刺されることを暗示する内容。直後、その男が持っていたナイフで、アーサーは腹部をめった刺しにされる。
かつての妄想の中で見たリーの姿を思い浮かべながら、アーサーは崩れ落ちる。
その背後で、男が高笑いしながら、自らの口をナイフで裂いた。








……分かりますよね。
ひたすら、アーサーが可哀想じゃない?
純情を弄ばれ、隠しておきたいことまで公衆の面前で暴かれ、女に騙され、最後殺されるって。

 

確かに前作からおかしかったっちゃ、おかしかった。
ジョーカーの設定として、本名はジャックのはずなのに、アーサー…?
でも、ジョーカーの過去の設定って、本人もよく覚えていないからほぼ何でもあり、みたいなところがあって、だからこういう設定のジョーカーなのかな、と思っていた。
そうしたら、最後、「アーサーはジョーカーじゃありませんでした、途中ちらちら見せてた、ニヤニヤ笑っていた男がジョーカーでした」って。
じゃあ、前作と合わせて約4時間、我は何を見せられていたのだ…?

 

リーも相当な悪女ですよ。ああいう人間が嫌いです。
「理想と違ったわ」で簡単に切り捨てる人間。何故、他人であるお主の理想に沿わねばならんのだ!
しかも、妊娠したとか噓でしょ。たった6ピストンだぞ!!
アーサーに面会する前に、看守を抱き込んできたって言ってたし、仮に妊娠していたとしても、その看守かアーサーか、父親はどちらか分からないだろ!
そしてアーサーが彼女から確たる愛の言葉を求める度に、はぐらかして歌い始めやがって。
結婚式の「誓いますか?」に対して、リーが答えなかったのが特に嫌い。
もうね、最後の階段のところで、「歌をやめて…歌わないで…」って何とか止めようとするアーサーに泣きそうになった。可哀想過ぎる。

 

あとはゲイリーが好きだったから、彼の訴えは泣いてしまったし、リッキーは「アーサー」を見てくれていたのにな…と辛い。
信じるべき人間を致命的に誤ったよ。
いや、その日病院に帰るのに、その病院の所長の悪口を言いまくるのは、いくら何でもアホ過ぎるとか、アーサーにツッコみたいところもあるけれども。
今回は前回に増してミュージカルパートが多くて、ホアキン・フェニックスさんとレディー・ガガさんのハーモニーが美しかった。
あと、知っている楽曲が多くて、親しみやすかった。『Fly Me To The Moon』とか。
いいところが逆にそれくらいしか浮かびません。